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筒居 | LPページ
はじめに
自然の中では、飲み物をよりおいしく、気持ちよく楽しみたいと思いませんか?
この容器『筒居』はアウトドアで、その欲求を満たすための新しいツールです。
あらゆる場面や環境で、さまざまな飲み物を、よりおいしく楽しんでいただけます。
しかし、これまでアウトドアツールとして使われてきた容器と何が違うのか?
これから、以下の疑問についてのご説明をします。
「この容器は、なぜ飲み物をよりおいしくできると主張しているのか。」
「これまでアウトドアでよく使われてきたマグカップや、使い捨てカップと、どう違うのだろうか……」
ワイングラスの構造を、使いやすく
『筒居』は、ワイングラスの構造をベースに、飲み物の「おいしさ」を引き立てる構造を新規に設計。
そこに、アウトドアで使える持ち運びや保管の容易さ、耐久性などの使い勝手のよい機能を搭載しています。
これまでアウトドアで使われてきた容器との違いは、ワイングラス特有の構造を搭載し「おいしさ」を活かせる点です。
これから『筒居』のどういった特徴が他の選択肢と差別化できるのか、具体的な要素をご説明させていただきます。
開発のきっかけ
かつて、私は休暇に合わせてキャンプに赴きました。
そのとき、以前に飲んだことのあるワインを使い捨てカップで飲むことになったのですが、以前と比べて味が劣ったように感じました。
後日アウトドアで使える容器を調べてみたところ、透明のプラスティック製のワイングラスを発見。
しかし、その時購入したプラスティック製のワイングラスは飲み物の「味」にポジティブな変化をもたらしませんでした。
複数の容器で味を比較しました
なぜ「味」に変化がないのか。
理由を確かめるため、以下の3種類の容器で同じワインを飲むことで比較をしました。
①使い捨てカップ
②プラスティックワイングラス
③中級ワイングラス(価格5000円ほど)
結果は以下のようになりました。
①使い捨てカップ < ②プラスティックワイングラス <<< ③中級ワイングラス
容器によって味に違いがある理由を検討しました
なぜ味が異なるのか。テイスティング比較した結果に加え、想定できる差を列挙しました。
すると、いくつかの違いが浮かび上がりました。
どうやらワイングラスの特有の味にはリム(※縁/フチ/以下リムと言います)の構造が関係するようです。
繊細なリムは味がいい、しかし持ち出しにくい
ガラス製ワイングラスは、他の容器と比べ味がいいと感じました。
しかしアウトドア環境では簡単に割れ、持ち出すことが難しいものです。
改めて調べてみましたが、当時、この課題を解決している容器は発見できませんでした。
そこで、課題を解決できる構造を検討
繊細なワイングラスのつくりを維持しつつ、アウトドアへ持ち出せる使い勝手のいい容器、その条件を検討しました
『筒居』の開発には時間が必要でした。
課題の解決には、容器の構造から新規に考案する必要性があったためです。
独自の構造の発明
『筒居』は新たに組み立て式の構造の考案に成功しました。
この構造はワイングラスの繊細なリムを搭載しつつも、使用しない時は分解/収納することで、リムを保護することができます。
唇と接触するリムの端部には「なめらかさ」にこだわった処理を施し、ボティの形状は曲線的に構成。
味のいいワイングラスに特有の繊細なつくりを、アウトドアに持ち出せるよう設計しています。
独自構造の特徴
『筒居』の収納構造は大幅なコンパクト化も同時に実現しています。
収納時の大きさはアウトドア用の小型ガス缶(OD缶/110缶)と近しいサイズです。
「おいしさ」をアウトドアに持ち出すための容器
『筒居』はあらゆる場面や環境で、さまざまな飲み物を、よりおいしく楽しむための容器です。
これまでワイングラスを持ち出せなかった場所で、繊細なリムを使った一杯が楽しめます。
あなたのアウトドアに「おいしさ」を「使いやすく」提供します。
特許を取得した構造です
『筒居』は、以下の特許の取得が認められています。
特許7116273号 2023/02/21公知
また、世界初の構造として、特許庁による国際調査報告を通過しています。
クラウドファンディングにおいて応援購入を募りました国際出願は2024/5月現在順調に推移しています。
『筒居』という名称は、リム(筒)をボディ内部に収納する構造に由来しています。
これから説明させていただく複数の機能を検討し『筒居』の有用性を判断ください。
次の章では「おいしさ」のために行った形状設計について説明します。
おいしさと設計
飲み物の味わいを真剣に考えるなら、容器の形状と「おいしさ」の関係について検討してみましょう。
きっと満足のいく「おいしさ」を見つける足掛かりになります。
しかし、容器の形状と「おいしさ」の関係は?
これから、以下の疑問についてのご説明をします。
「飲み物の味わいを最大限に楽しむためには、最適な容器の選択は欠かせない。
しかし、それだけで満足のいく味わいを見つけられるとは限らない。」
「飲み物自体の品質や種類、温度、保存状態などさまざまな要因が関係する。
さらに、口当たりや飲み心地が個人によって異なる点を考慮しなければいけない。
容器の形状はどういったおいしさの足掛かりになるのか……」
容器の形状と「おいしさ」は五感により結びつきます
『筒居』は、飲み物を最大限に楽しむ方法を検討し、その検討結果に基づいて設計しています。
その検討結果とは、飲み物を楽しむときには「ある刺激」を弱めることで「飲み物本来の刺激」を強調できるというもの。
「おいしさ」を追求するためにノイズを減らせるよう、工夫しました。
この工夫は、人間の感覚を量的に表したウェーバー・フェフィナーの法則を出発点としています
ウェーバー・フェフィナーの法則は、人間の感覚の強さは刺激の強さの対数に比例するというものです。
言い換えると「脳は、最初の刺激Aが強いとき、後から続く刺激Bが弱い場合、Bの刺激を知覚しにくい」ことを示す法則と捉えられます。
これから、あなたにより「おいしく」飲み物を楽しんでいただくために設計した『筒居』の「おいしさ」の理由を、人間の五感からご説明します。
飲み物は「五感」をどのように使って知覚されているのか
飲み物を口に含み、喉を通した時の感覚を想像してみてください。
あなたはどういった感覚を使っていますか?
いくつか挙げられます。
飲み物を楽しむときの感覚は、五感の中で変遷しつつ、複数にまたがり知覚されています。
五感を知覚していく順番
飲み物を口に入れたときの感覚を順番に並べてみると、次の順番になると思います。
①容器と唇が接触 → ②飲み物口に入る → ③味(おいしさ)を感じる → ④匂い(かおり)を感じる
「五感」においては ①触覚→②触覚→③味覚→④嗅覚 という順で知覚されています。
図表にまとめると、以下のようになります。
「唇」は敏感かつ精妙な感覚器官
飲み物を楽しむとき、刺激①「容器のくちあたり」は唇に対する強力な刺激だと考えられます。
その理由は、唇には多くの神経が集まっているためです。
ここでは、ペンフィールドのホムンクルス人形を参照いただきますと、唇の神経の多さ=敏感さをご理解いただけると思います。
また、唇は皮膚ではなく、内胚葉から分化する口腔の一部で、人間以外の生物にはありません。
一説には、人間の脳が肥大化する過程で咀嚼筋が減り、食べ物の「硬さを測る」必要性が出てきたために唇が発生したそうです。
ウェーバー・フェフィナーの法則の考え方
先述しましたが、この法則は以下の側面を持つと捉えられる法則です。
「脳は、最初の刺激Aが強いとき、後から続く刺激Bが弱いと、Bの刺激を知覚しにくい」
ここでは飲み物を飲むときの、複数の連続した刺激について考えてみます。
たとえば一部の炭酸飲料には、驚くほどの砂糖が使用されています。
この砂糖の量は、開封時の強い炭酸の触覚刺激に負けない、強い甘さの味覚刺激です。
そして、炭酸が抜けた炭酸飲料はとても甘く感じられ、このとき最初の刺激A:炭酸が弱まることで、後から続くB:砂糖は強調されています。
唇と容器の接触が「飲む」最初の刺激です
同様に考えてみます。
まず「容器のくちあたり」は唇への刺激です。
最初に発生する刺激①「容器のくちあたり」を弱めることができると、後から続く刺激②〜④はどうなるでしょうか。
唇は繊細な感覚器官なので、脳に強力な信号を送っています。
したがって、刺激①が弱まると、刺激②〜④を脳が鮮明に知覚できる確率が上昇すると考えられます。
そこで、唇に刺激を与えにくい設計を検討しました
『筒居』の、唇への刺激を軽減する仕組みをご説明します。
まず容器が唇と接触する部分は、リムです。(※縁/フチ/以下リムと言います)
リムから唇への刺激は接触部の「面積」と「重さ」によって構成されていると考えました。
「面積」と「重さ」について『筒居』は以下のように設計しています。
・面積: 端部のなめらかさを維持しつつ、継続使用できる限界まで薄くリムを設計。
・重さ: 本体は可能な限り軽く、手で重心を支えやすい形状に設計。
下の図の数値から比較してみていただくと、数値として刺激の軽減率がご理解いただきやすいと思います。
この「おいしさ」の理由は、あらゆる飲み物に
『筒居』は飲み物を楽しむとき「おいしさ」をさらに追求できるよう、容器が与える唇への刺激を弱める工夫を搭載しています。
唇の触覚への刺激を弱めてノイズを減らすことで、飲み物本来の刺激を強調できます。
この工夫は、形状と五感の結びつきに基づく構造のため、ワインだけでなく醸造酒/蒸留酒/ノンアルコールの全ての飲み物に適用可能です。
このように『筒居』は、あなたの満足のいく「おいしさ」を探す足掛かりとしてご利用いただけます。
使い方のポイント
手でしっかり重さ支え、リムを上唇に軽く沿わせるようご利用ください。
唇への刺激が軽減され、飲み物由来の刺激を引き立てることができます。
次の章では筒居の「使いやすさ」についてご説明します。
使いやすさ
繊細に作られたグラスは簡単に割れてしまうため、使いやすい容器とは言いにくいものです。
グラスが室内で割れると、リラックスした時間が台無しになる場合があります。
グラスが割れた際のリスクを軽減することで、よりリラックスした時間を過ごしていただくことができます。
しかし、グラスが割れるのはよくあることではないか?
これから、以下の疑問についてのご説明をします。
「室内でグラスが割れたときは、これまでしっかり片付けてきた。」
「グラスが割れるリスクを軽減することで、どんな意味があるのだろうか……」
リスクが軽減されると、より気楽に飲み物を楽しめます
みなさんも、これまでグラスを割ったことがあると思います。
グラスが割れた時は、急いで片付けていることが多いのではないでしょうか。
そのため片付けの一連の工程を振り返り、さらに検討する機会は多くありません。
そこで整理してみる、割れたガラスの片付けには「破片回収→掃除機→梱包」と複数の工程があります。
片付けが甘い場合、後日足を切るなどの危険性が残るため片付けの工程には集中を要します。
また、グラスはこだわるほど値段が上がる傾向があります。
その遺失という経済的ダメージの事実は辛いため、手早く忘れる努力が必要です。(私でだけでしょうか?)
これから、あなたをより気楽にするために搭載した『筒居』の「損失リスクを軽減」する設計についてご説明します。
グラスが割れるタイミング
どういった場合にグラスを割ったことがあるか思い出してみてください。
割れてしまうタイミングは、以下の2パターンの例が多いのではありませんか。
①洗う時
②使う時
「グラスが割れるタイミング」の回避
①洗う時、②使う時のそれぞれについて、現実的な回避手段を検討してみました。
結果として、使う時のグラスの割れは偶発的に発生してしまいます。
そのため「グラスが割れるタイミング」に完全に対策し、回避することはできないことがわかりました。
グラスの使用中は常にリスクが伴っている
使用中の偶発的なグラスが割れるタイミングの発生と、グラスが割れるという帰結は切り離せません。
したがって、人はグラスを使用するとき「損失リスク」を常に背負っています。
そこで、どんな「損失リスク」があるのかを検討し、以下の3つの状態に分類しました。
・帰結の損失リスク 片付けの一連の工程が終了した状態
・過程の損失リスク 片付け中の状態
・常時の損失リスク 使用中の状態
帰結の損失リスク
割れてしまったグラスは、再使用する事ができません。
割れることにより価値がゼロになってしまいます。
また、高価なグラスほど大きさや繊細さを有し、割れやすい側面があります。
過程の損失リスク
破片はあちこちに飛び散ります。
片付けの一連の工程は「破片回収→掃除機→梱包」で、手間がかかっています。
飲み物を楽しんでいる「ゆったりした状態」から「片付けの緊張した状態」に気持ちを急に切り替えないといけません。
掃除には精度が求められ、処理が甘いと破片が残り、後日怪我をする可能性を抱えます。
使用中の損失リスク
容易に割れてしまうので、グラスが割れるタイミングの発生を防ぐために、常に気をつけて使用する必要があります。
気をつけながら飲み物を飲むことは、ゆったりしたい気持ちとの間に矛盾を抱えています。
損失リスクの「軽減」と使いやすさ
上述した3つの損失リスクに対策する場合、以下のような特徴を持つ容器なら損失リスクを小さくすることができます。
帰結の損失リスク →全損してしまう確率が低い容器
過程の損失リスク →飛び散ってしてしまう確率が低い容器
使用中の損失リスク →簡単に割れてしてしまう確率が低い容器
このように、全損しにくく、破片は飛び散らず、簡単に破れにくいグラスは、使いやすい容器だと考えました。
そこで、これらの要素を設計に織り込みました
『筒居』は以下の3つの方法で使用中の「損失リスク」を軽減。
使いやすくご利用いただけます。
全損しにくい構造特性
『筒居』は3パーツ構成で、一部が壊れても全損しません。
一部が壊れた際にはそのパーツ交換すれば継続使用することが可能です。
破片が飛び散りにくい素材を採用
『筒居』に使用しているのは割れても飛散しにくいシャッタープルーフ材です。
落としてもほとんどの場合お酒がこぼれるだけで、破片が残って手足を切る可能性を軽減します。
カーペットのご家庭や、赤ちゃんや子供、または裸足で生活している世帯には特に推奨できます。
簡単に壊れないタフさ
『筒居』は「おいしさ」のために各部の薄型化や軽量化をしています。
それでもガラス製品と比べると壊れる確率が大幅に低下させることに成功しています。
使いやすいから、より気楽に飲み物を楽しめる
リラックスして飲み物の「おいしさ」を楽しみましょう。
グラスが割れるという複数の損失リスクを軽減に対策すること。
それは、あなたがリラックスして過ごす時間に直接的に寄与します。
とにかく楽!飲んだ後すぐに洗えます
私はこれまで、たくさんのグラスを割ってきました。
『筒居』の使い勝手のよさは、日常生活にも大いに活躍します!
次の章ではワイングラス形状特有の「かおり」を引き立てる形状についてご説明します。
かおりと形状
飲み物の「かおり」を楽しむための容器の重要性は、多くの方がご認識されていることかと思います。
「かおり」の変化をさらに楽しむために、容器と「かおり」の関係を検討してみましょう。
しかし、「かおり」は飲み物の種類によって変化するのではないか?
これから、以下の疑問についてのご説明をします。
「香りの楽しみ方は、主に飲み物の原料や種類、抽出方法などが重要だ。さらに個人の知覚にも左右される。そのため、容器の選択によって左右されるという主張が一般的とは言えない。」
「かおりは容器の性質や種類等との、どういった関係によって変化するのか……」
容器の形状は、飲み物の「うわだち香」に影響します
うわだち香(うわだちか)は容器の上を立ち上る「かおり」の一種です。
『筒居』は日本酒に倣って香りを3つの要素に分解して「かおり」を検討しました。
「かおり」の呼称はさまざまですが、ここでは以下のように定義します。
①: 口をつける前 鼻から感じるうわだち香
②: 口をつけた後 飲み込む前に感じるふくみ香
③: 口をつけた後 飲み込む後に感じるかえり香
これから、あなたにさまざまな「かおり」を更に楽しんでいただくために設計した『筒居』の「形状」をうわだち香からご説明します。
容器の種類による、うわだち香の違い
うわだち香はとても大切な飲み物の「かおり」の要素です。
アルコールはもちろん、コーヒーやお茶などでも感じることができます。
人によっては、ワイングラスでコーヒーやお茶などを試されたこともあると思います。
では、飲み物を日本酒式に「おちょこで飲んだ時のうわだち香:下図①」は、同じ飲み物を「ワイングラスで飲んだ時のうわだち香」と均質に感じるでしょうか。
実際に比較してみたところ、それらは異なることがわかりました。
うわだち香は、なぜ容器の種類で変化するのか
飲み物の「かおり」はどこから発生しているかというと、飲み物そのものである液体です。
この液体からうわだち香が発生している場所は「液面」がまず想像できます。
同時に、グラスの側面にあたる「内側の壁部」に付着した液体からも、うわだち香は発生しています。
図に整理すると、うわだち香には「液面の①」aと「内壁部の①b」という2つの発生源が存在します。
「液面の①a」と「内壁部の①b」の関係
ワイングラスを例に、なぜ容器によってうわだち香が変化するのか説明をします。
まず、グラスになみなみと液体を入れる注ぎ方をした場合、内壁は液体により露出しません。
このとき、うわだち香は「液面の①a」から揮発し立ち上ります。
次に、一般的な注ぎ方では、グラスに入れる液体の量を少なく調整し、内壁部を露出させます。
これには理由があります。
たとえば、ワイングラスを使う時には、スワリングと言ってグラスを器用にくるくる回すことがあります。
このスワリングの目的の一つに、側面にも液体を塗り広げることが挙げられます。
塗り広げることで、一般的な注ぎ方では液体の揮発面積の合計は「液面の①a+内壁部の①b」です。
この揮発面積は、グラスになみなみと注いだ「液面の①aだけの場合」より拡大しています。
液体の揮発面積が広がることで、より強いうわだち香が発生し、より強い「かおり」の刺激として人間は知覚できることになります。
日本の容器と注ぎ方の型
飲み物と組み合わせる容器の種類にはおおよその型が存在しています。
たとえば、おちょこは日本酒、ロックグラスで焼酎、コーヒーカップでコーヒーなど。
また、これらの容器に対し、なみなみと液体を注ぐ習慣が日本にはあります。
言い換えると、日本の容器と注ぎ方の型によるうわだち香は「液面の①a」が主な発生源と言えます。
同時に「内壁部の①b」の揮発面積を大きく取っていない型でもあります。
先述の例に加え日本には、香り高い日本茶や泡盛、およびクラフトビールなど「香りにこだわった飲み物」が多くあります。
これらの飲み物にワイングラスの形状を用いて「内壁部の①b」からうわだち香を発生させることで、 さらに強い「かおり」を楽しむことができる可能性があるのではないでしょうか。
たくさんの可能性
再度整理すると、飲み物のうわだち香発生のメカニズムは以下のようになります。
容器になみなみと注ぐ場合 =液面の①a
容器を全て満たさない場合 =液面の①a+内壁部の①b
飲み物の表面積が広がり、揮発面積が増えることでうわだち香の総量は向上します。
日本の飲み物のうわだち香は、多くの場合容器になみなみと注がれ、液面の①aが主な発生源になっています。
したがって、内壁部の表面積が広い性質のあるワイングラス形状の容器を用いることで、内壁部の①bから立ち上るうわだち香を発生させる余地があります。
結果として、うわだち香の総量を向上でき、私たちにこれまで知られていない「かおり」として知覚させてくれる可能性があります。
日本の飲み物には香り高いものが多く、たくさんの可能性があります。
そこで、ちょうどいい大きさで、さまざまな「飲み方」に対応しました
『筒居』は開発当初800ml以上のワイングラスとして設計していました。
しかしアウトドアでも日常でも、力強い赤ワインばかり飲むわけではありません。
日本酒を注いだ時には、サイズが大きすぎることで飲みものが容器に負けることがあり、調整を繰り返す必要がありました。
繰り返しの上で、飲み物と容器にはバランスが大事なことがわかりました。
その結果として、サイズはさまざまな飲み物にご利用いただきやすい大きさなりました。
また飲み物の「飲み方」は環境によっても変わります。
季節感と共に楽しんでいただけるよう『筒居』は幅広い「飲み方」にも対応しています。
特に、冬の寒い時には、熱々のお湯割りなどにもご利用いただけます。
さまざまな飲み物の「かおり」を楽しんでください
私は現在、『筒居』で日本酒の生酒を飲むが気に入っています。
人により趣向は異なり、友人は日本ビールだったり、焼酎の水割りだったりします。
もしかしたら、あなたのまわりの飲み物でも隠れた香りを楽しむ余地がまだ残っているかもしれません。
次の章では、手軽な普段使いのための『筒居』の利便性についてご説明します。
手軽さとの利便性
お気に入りのグラスほど、手軽には使いづらくなっていませんか。
『筒居』は普段使いしやすくなる、これまでのワイングラスと異なった利便性を搭載しています。
ワイングラスの「おいしさ」と「かおり」の特徴を手軽に使用できれば、さらに日常を豊かにすることができます。
しかし、これまでのワイングラスと何が変わるのか?
これから、以下の疑問についてのご説明をします。
「ワイングラスはこれまでも使ってきたので不足は感じていない。利便性が加わって手軽になることで、いったい何か変わるのだろうか……」
日常で「おいしさ」と「かおり」を感じられる機会が増えます
ワイングラスは一種の完成された容器のジャンルです。
現在の形に落ち着いてから、約100年が経つと言われています。
主な用途はワインの飲用に用いられ、後片付けの方法も変化していません。
繊細なつくりによって、飲み物の「おいしさ」と「かおり」をよく引き立てます。
その裏返しとして壊れやすいため、使う機会は限られ、毎日使う人は多くないと考えられます。
しかし「おいしさ」と「かおり」をよく引き立てるワイングラス性質は、お酒などに限らず、コーヒーや紅茶などにも最適です。
ワイングラスを手軽に使うことができれば、日常の飲み物をさらに豊かに味わうことができます。
これから、あなたの日常でより手軽に使ってもらうために設計した『筒居』の「利便性」をご説明します。
ワイングラスの進歩の方向
ワイングラスのつくりは、薄く繊細なガラスによる構成です。
また、ハイエンドモデルになるにつれて、大型化、味と美の追求、および繊細かつ工芸的な特徴を獲得します。
これらの特徴は究極性を伴っており、完成されつつあるように見えます。
しかし、完成されたワイングラスにおいては、手軽に使える先例は少ないとも言えるのではないでしょうか。
手軽に使いにくい点を検討、洗い出しました
日常でワイングラスを手軽に使いにくい理由に、どんな要素があるか考えました。
日常において、ワイングラスを使い終わった後は、通常の食器と分けて洗われ、自然乾燥すると水垢が残るためクロス(布巾)で拭かれます。
また再使用の前には、グラスの匂い(クロス由来等)のチェックが必要で、飲み物を注ぐ量は目分量で注がれます。
これらのシーンを、要素に分けると、以下のようになります。
⦁ :洗浄 手洗いする いいものほど繊細な作りのため。
⦁ :乾燥 布巾で拭く 水垢の沈着を防ぐ。研磨剤も気になる。
⦁ :確認 ニオイ付着 グラスにいやなニオイがないか。
⦁ :計量 液量を測る グラスにより収まりよく入る液体量に差がある。
各要素から、必要な利便性を検討しました
要素それぞれに対して以下のような使い方ができると便利になることがわかりました。
⦁ :洗浄 → 手洗いしない
⦁ :乾燥 → 自然乾燥でいい
⦁ :確認 → いやなニオイがつきにくい
⦁ :計量 → 等しい量を注ぎやすい
これらの利便性をワイングラスに搭載できれば、手軽に使いやすくできます。
手軽に使えることで、飲み物の「おいしさ」と「かおり」が、さらなる日常の豊かさ提供してくれるのではないでしょうか。
そこで、以下のような機能を搭載しました
食洗機に対応
『筒居』の素材は耐熱温度が高く、食洗機などのお湯での洗浄にも耐えることができます。
抗菌作用
『筒居』の素材に含まれた竹由来の抗菌性分により、雑菌の繁殖を食い止めることができます。
布巾で拭く手間をカットできることに加え、いやなニオイがつきにくい。
素材には以下のような抗菌性の検査を行っています。
計量バーの搭載
ボディ内部に約125ccのメモリを搭載。
必要に応じて確認することで安定した量を注ぐことができます。
手軽に使えることで、日常をより豊かにできます
ワイングラスには飲み物の「おいしさ」と「かおり」を引き立てる優れたつくりがあります。
しかし、ワイングラスを手軽に使いづらくしている、いくつかの要素もあります。
『筒居』はそれぞれの要素に対策する機能を搭載することで、手軽に使える利便性を獲得しました。
手軽に使えることで、日常の中で使用の機会を増やすことができます。
ワイングラスの構造が、あなたの日常の飲み物の「おいしさ」と「かおり」を引き立てることでより豊かな日常を過ごせるのではないでしょうか。
次の章では、『筒居』が可能にする新しい使い方をご提案します。
新しい使い方
『筒居』はこれまでワイングラスが使われていないような、新しい用途にご利用いただけます。
さまざまなシーンでご利用いただくことで、あなたに新しい体験をもたらします。
しかし、ワイングラスはワインを飲む以外なにができるのか?
これから、以下の疑問についてのご説明をします。
「ワイングラスの用途はワインを飲むためではないのか。あたらしい使い方による体験は、果たして有意義なものなのか……」
ワイングラスは冒険的な使い方に用いづらい容器です
ワイングラスは、薄いガラスによる繊細なつくりが一般的です。
壊れやすいため物理的、温度的に衝撃を与えることを避けて使う必要性がありました。
たとえば、ガラスの見た目からでは耐熱性能の有無を、ユーザーがしっかりと判断することは難しいことです。
そのためワイングラスは主に室内でワイン用の酒器として使われています。
しかし飲み物に「おいしさ」と「かおり」を必要とする場面は、無数に存在しています。
これまで用いることができなかった飲み物の飲み方に、ワイングラスの構造を適用します。
これから、あなたにより「楽しんでいただく」ために考案した『筒居』の「新しい使い方」を用途に基づいてご説明します。
現在のところ使われていない用途
『筒居』はワイングラス形状のアウトドアツールです。
ワイングラスは使い勝手よく持ち出すことは難しいですが『筒居』であれば可能です。
(この点が筒居の新しい体験の最たる例であることは、すでにご理解いただいていると思います。)
ここでは、別の視点から一般的なワイングラスが使用されていない例を挙げていきます。
事前に冷やしておく用途
ジョッキなどの容器は、使用前に冷蔵庫に入れ、冷やされている姿を見かけます。
しかしワイングラスを冷蔵庫に入れることは姿を見ることは、あまりありません。
理由は複数考えられ、温度変化に加え、かさばり壊れやすいことも考えられます。
しかし、その点を度外視すれば、ワイングラスの繊細な飲み口と、冷たい飲み物の相性は良好ではないでしょうか。
高温にする用途
たとえば、電子レンジにワイングラスを入れる場面は多くありません。
理由としては、ガラスの温度変化に対する耐性は60℃と言われているそうです。
しかし丸いボウル形状で香りをキープできるワイングラスが高温に耐えられるなら、温かい飲み物は香りの高いもが多いため、さらにワイングラスの出番は増えるのではないでしょうか。
新しい使い方を想像してみましょう
冷蔵庫に入れておくことで可能になる使い方
お風呂上がりに合わせて飲み物を冷やしておくことは、一般的です。
特にビールなどよくこの場面で見受け、またグラスが冷えていると嬉しいものです。
ここで、ワイングラスを冷やしておいて、お風呂上がりの飲み物を楽しんでみることにはご興味湧きませんか。
特に、よく冷やしたシャンパーニュなどは素晴らしい体験になるとが想像できます。
高温に耐えられることで可能になる使い方
コーヒーをワイングラスに直接抽出できるようになります。
諸説ありますが、コーヒー抽出の際のお湯の温度は83度抽出が良いと言われています。
ここに、以下の2つの要素を踏まえると、普通のワイングラスでは絶妙に危ない橋だと考えられます。
・日本の室内平均気温は約19℃と言われていること
・ガラスの温度変化に対する耐性は約60℃と言われていること。
しかし、ドリップ中にも香りは発生しているため、直接抽出の場合は香りをワイングラス内にキープできます。
実際に直接抽出したところ、ポット経由に比べ「かおり」が多く感じられました。
筒居は、もう一歩踏み込んだ使い方が可能です
冷凍庫に対応
『筒居』は分解/収納することで小型化が可能です。
低温でのテスト行っており、より温度が低く、より狭い冷凍庫にも入れておくことができます。
その際はステムパーツを事前に外しておくと、持ち手が冷たくならないため便利です。
100℃の飲み物にも対応
『筒居』の耐熱温度120℃です。
コンロからおろしたマキネッタなどの熱い飲み物に対応できます。
ヤカンやポットからのお湯、お湯割の割りものなどにもご利用ください。
ワイングラスの形状を、新しい用途に活用!
『筒居』は冷やすこと、温めること、そして持ち出せる、新しい運用が可能な容器です。
また、これらを組み合わせた運用をすることもできます。
たとえば『筒居』を公園に持って行き、季節によってアイスやホットの飲み物を楽しむことは手軽なリフレッシュとしてお勧めです。
次の章では『筒居』の嵩張らない収納の工夫を説明します。
嵩張らない収納
グラスが好きな方には、ご自宅等の限られた収納スペースに圧迫を感じている人も多いかもしれません。
『筒居』は分解によるコンパクト化に加え、さらに嵩張らないための収納方法に工夫を凝らしています。
数が増えても体積的にな圧迫が小さく、手狭になりがちな棚などのスペースを有効に使うことができます。
しかし、その嵩張らないための工夫にはどれほどの効果があるのか?
これから、以下の疑問についてのご説明をします。
「ワイングラスを嵩張らず収納できる工夫は、実際にどの程度の効果があるのか……」
ワイングラスが嵩張る理由を検討し、対策しました
紙コップのような形状の容器は、スタック(上下に重ねて積載すること)ができ嵩張りません。
一方、ワイングラスは形状が丸いボウルに、ステムがついています。
通常、ステムとボウルはスタックして互いに嵌合できるように設計されていません。
したがって保管する上では、横(水平方向)に並べることとなり、スタック可能な容器に比べ空間に対して嵩張りやすいと言えます。
そのためワイングラスは、多くの場合以下の2種類の姿で保管されていませんでしょうか。
これから、あなたの限られた収納スペースをより「有効に活用」していただくために設計した『筒居』の「嵩張らない工夫」を容器の積載構造からご説明します。
通常のワイングラス形状を上下に積載できるようにした場合
ステムがついたワイングラスが、どのよううな構造であれば嵩張らす収納可能か検討しました。
ステムとボウル互いに嵌合できるように設計すると、以下のような形状になります。
この設計の場合ワイングラスの数が増えたとき横方向へ広がっていく嵩張りを軽減できます。
しかし、別の課題が浮上しました
この積載方法は、横方向へ広げない収納手段としては有効です。
しかし、別の課題が少なくとも2点浮上してしまうことも分かりました。
どういった課題があるのか以下にご説明します。
「かおり」の保持機能が、丸い形状のグラスに比べて劣るボウルの構造が垂直に構成されているため、 丸いワイングラスに比べ「かおり」が逃げやすい構造になってしまう特徴があります。
衛生的でない
ステムの底部がボウル内部に収納される構造になっています。
上下に重ねた際、ステム底面が容器内部に接触するため、衛生的とは言えません。
筒居は独自の組み立て構造なので、上下積載が可能
『筒居』は単独での分解収納が可能のため、この形態を活かした上下への積載機能を搭載!
ステムの裏に突起を設けることで、2つの『筒居』の連結が可能なように設計しました。
また、この分解収納方法のとき、ステム底部は容器内部に接触しません。
『筒居』は上下に2個連結すると、組み立てした『筒居』とほぼ同じサイズです。 上下の高さ(H)は、先の例に挙げたグラスを上下に積載する収納形態より、省スペース化されています。
特に、数が増えた時にかさばらない
普通のワイングラスとの比較することで検討してみます。
この普通のワイングラス大きさは『筒居』と同じ大きさ(W:89mm H:158mm)としています。
体積で考えたとき、普通のワイングラスに比べ、『筒居』は50%以上スペースを節約できます。
さらに『筒居』は上下の連結数変更することで、スペースに合わせた収納が可能です。
注意事項:この機能は置いておく際にご利用ください。
連結した状態で持ち運ばないでください、嵌合部が折れて故障の原因になります。
たとえば、カバンに入れる時には1個ずつの状態でバラバラに入れて利用ください。
次の章では、ワインのアウトドアでの運用案をご紹介します。
ワインを屋外へ
ワインをアウトドアに持っていくメリットを検討したことはありますか?
アウトドアでのワインの楽しみ方や運用方法を知ることで、あなたのアウトドアスタイルに新しい選択肢が加わります。
肉類にワインを合わせる食事の型が選択肢に加わることで、さらに豊かな体験が可能になるでしょう。
しかし、ワインをアウトドアで飲むのは大変ではないか?
これから、以下の疑問についてのご説明をします。
「ワインと食事の相性は良いと思うが、ワインは瓶も重い。」
「アウトドアでワインを飲むことはこれまで多くなかったので、このままだと難しい。どんな方法を使うと、ワインをアウトドアで手軽に楽しめるのだろうか……」
アンケートの結果、アウトドアでワインを飲むの人は15%以下
たとえばキャンプをしたとき、ほとんどの方に肉類を焼いた経験があると思います。
しかしながらワインを飲んでいる姿を見かけることは少ないと思いませんか。
一方肉類を提供する飲食店では、ほぼワインがあり飲んでいる姿も見かけます。
アンケートによると、アウトドアでワインを飲んでいる人は15%以下のようです。
この割合はワインの生産地である山梨県のスコアなので、全国ではもっと低いと推定できます。
しかし、ワインは飲み物としてはアウトドア向きです。
これから、あなたの「アウトドアの食事の選択肢」を更に豊かにするため『ワイン』は「なぜワインはアウトドア向きか」の理由を運用方法からご説明します。
アウトドアの肉類と、五味
バーベキューなど、アウトドア環境で焼いた肉類はおいしいと思いませんか。
ここでは五味を通して肉類と飲み物の調和を検討します。
まず五味は「甘味、酸味、塩味、旨味、苦味」から構成されています。
この中で肉類は、主に強力な旨味を担当します。
この旨味を中心に、他の「甘味、酸味、塩味、苦味」で五味のバランスを補うことで調和します。
たとえば酸味を取り上げると、焼肉屋などで肉類にはレモンが添えられることは多くあります。
また、ステーキのソースには酸味のあるものも多く市販もされ、これら酸味には肉の旨味をサポートする共通の目的があります。
ふたつの異なる調和の形
五味が不足している状態でも肉類はおいしい場合もあります。
しかし五味が調和することにより、さらに豊かな味にできます。
そして、ここはアウトドア。
味付けに使えるのは「塩」だけだと想像してください。
五味のバランスを「肉類+塩+飲み物」で調和させるときのことを考えます。
炭酸飲料(ビール)と赤ワインを例にとることで、どのように調和しているか大まかにまとめました。
結果として「口の中ではふたつの異なった成分が、五味として調和している」ことがわかりました。
調和の形と食事の型
肉と飲み物の組み合わせイメージを、日本人を対象にヒアリングしました。
炭酸飲料はスパイシーな料理に合うイメージがあるようです。
一方、ワインは肉本来の味を楽しむ際に楽しみたいという結果が出ました。
また、飲食店での販売傾向も調査しました。
日本の焼肉店では圧倒的に炭酸飲料が消費されているようです。
ステーキ店の場合は、4割がワインで3割がビールという結果でした。
焼肉とステーキにおいて主に提供される五味の調和の形は異なり、それぞれが一つ食事の型です。
また、それぞれの店舗は生活における出番が異なります。
そのため個人の動向としては、炭酸飲料とワインをシーンで飲み分けている方が多いのではないでしょうか。
「手軽なら」アウトドアでワインを飲みたい人が多数派
先述したアンケートの結果、飲んでいる人は15%でした。
しかし70%以上の方が手軽なら飲みたいと回答してもいました。
この高い数字には「アウトドア+肉類」と「肉類+ワイン」という「2つの普遍性」によるものかもしれません。
逆に考えると、ワインがアウトドアで飲まれていない理由は手軽でないイメージにあるとも考えられます。
手軽でないイメージの実態
先のアンケートにおいて、なぜワインをアウトドアで飲まないか伺っています。
内容は共通点が多く、以下の2パターンに分類できました。
①瓶について : 重い 割れる可能性がある 嵩張る
②器について : グラスが割れやすい 嵩張る
これまでの章では『筒居』による②へのアプローチを述べてきました。
ここでは①に対策できる、私の簡単なアウトドアでのワインの運用を記載します。
結論を申し上げると、ワインはアウトドア向きなので軽量=運用が簡単だと考えています。
前提:ワインはどれくらいの強さの飲み物なのか
まずワインの飲み物としての持続性を確認しましょう。
ワインの純アルコール量を算出し、5%のビールと比較します。
ワインには、ビール6本同じくらいのアルコールが含まれています。
ワインの適温はアウトドアに向いています
つぎにワインを何度くらいの温度で飲めばいいのか確認しましょう。
一般的なワインの最適な温度は10〜20度と言われています。
これは、炭酸飲料に求められる0-10度程の温度に比べると、大きなアドバンテージです。
炭酸飲料にはたとえばクーラーボックス、氷が必要です。
ワインは日本の平均気温がほぼ適温で、必要であれば川などで冷やすことで最適温度にできます。
ワインは事前の詰め替えで複数のメリットがあります
瓶は、重く、割れる可能性があり、嵩張ります。
そこで出発前にウォーターキャリーバック等に移しておいてはいかがでしょうか。
アルコールという製品ごとの注意事項に気を付ければ、上述の課題を全てクリアしつつ、軽量化し、重い空き瓶が出ません。
さらにワインを空気に触れておかせることで、簡易なデカンタージュにもなります。
肉類によく合う硬めの赤ワインには、特にお勧めできます。
ワインは運用が簡単、理由は軽量だから
特に少人数にはバッチリの性能じゃないでしょうか。
運搬能力に余裕がある場合は、スペアの選択肢として持って行くこともおすすめです。
運用テストは近場でどうぞ
まずは簡単なつまみと共に、近所の公園などでピクニックしつつテストしてみてください。
ちなみに『筒居』は約110gで、ワインもビールどちらもよく引き立てることができます。
次の章では、『筒居』を構成する材料、およびその選択理由をご説明します。
材料の選択理由
『筒居』は優れた独自の機能を持つ商品として、機能性に焦点を当て、これまでの章でご説明をさせていただきました。
一方で、この機能を支える材料素材は、竹ベースのウッドプラスティックコンポジット(以下WPCと言います)であることをお知りおきください。
WPCは、木粉や木繊維とプラスティックを混合して作られる「複合材料」です。
石油由来のプラスティックに比べ、環境負荷が低く、耐久性や耐候性が高く、木材のような質感とプラスティックの性能を兼ね備えています。
『筒居』は機能性と持続可能性を表裏一体として、両方を兼ね備える商品です。
しかし、不透明なWPC製をワイングラスに用いる必要性は?
これから、以下の疑問についてのご説明をします。
「確かに、持続可能性は重要な課題だが、破砕した植物が混じることで容器が透明ではなくなっている。」
「どんな理由があってWPCを材料に使っているのか……」
WPCの採用理由は、より気持ちのよいアウトドアの一杯のため
アウトドアには自然を楽しみに行くという目的が、その下地にあります。
私はかつて、帰路の荷物の軽量化のために、キャンプで出る可燃ゴミを薪で焼いたことがありました。
帰結だけでみれば、ゴミの焼却施設でも同様の処理を行なっています。
しかしそのとき、そもそも使い捨てカップなどを使用する必要性はあったのでしょうか。
特に、使い捨てカップの「おいしさ」や「かおり」は良いとは言えません。
また一度の使用で廃棄され、小さな環境負荷を発生させてしまいます。
自然を楽しむときにはそれに沿う行動を伴うことで、より気持ちのよい体験に昇華できるのではないでしょうか。
これから、あなたにより「気持ちよく」アウトドアの一杯を楽しんでいただくために搭載した『筒居』の「素材」の意味をご説明します。
使い捨てカップの商品特性
アウトドアでもよく使用されている使い捨てカップについて検討しました。
使い捨てカップには紙製とプラスティック製が存在します。
ある調査結果によると、日本では使い捨てカップが1日あたり100万個以上廃棄されています。
廃棄後の焼却時には、350mlの紙製カップが30-40g、プラスティック製カップが70-80gのCO2を放出するようです。
すべて紙製カップだと仮定しても、使い捨てカップによる1日のCO2排出量は3万kgに達します。
これは低く見積もって約3万人の1日の呼吸によるCO2放出量に相当します。
ユーザーとして、飲み物の味を求める観点では、使い捨てカップを選択する必要性は高くありません。
使い捨てカップが使用される理由は廃棄の簡易さという便利な性能で、その便利さにより膨大な数量が流通しています。
では、ユーザーとして使い捨てカップを使用しながら、気持ちよく自然を楽しむためにはどうすればよいでしょうか。
プラスティックを洗って再利用することでしょうか、または焼却せずに再循環することはできるのでしょうか。
しかし使い捨てカップは廃棄の便利さが商品特性のため、その特性に何らかの改良がなければ、商品と自然を楽しむこととの間に隔たりが存在しています。
求められている姿
「使ったら捨てて帰る」という考え方は、アウトドアに自然を楽しみに行く行為と本質的に矛盾してしまいます。
それに比べて「捨てるものが出ないように工夫する」ことは際限のない領分ですが、その矛盾を薄くしていくことができます。
「捨てるものが出ないように工夫する」ことは、
自分に可能な範囲の小さな工夫を行う行動であり、考える気持ちの持ちようから始まっています。
どういった工夫の種類があるか知るため、3R(Reduce, Reuse, Recycle)という考え方を検討してみましょう。
減らす(Reduce)
まずは、使用する物品の量を減らしてみませんか。
使い捨てカップなど、使用後の廃棄が前提となる商品の購入頻度は下げることができます。
このアプローチは不要な廃棄物の削減に直接効果があり、環境負荷を減らすことができます。
再利用する(Reuse)
ツールを選ぶ際には、一度の使用で捨てる必要がない再利用可能なものを選んでみませんか。
CO2が発生してしまう理由は、廃棄部が焼却される時、分子構造中の炭素(c)と酸素(o)が結びつき、空気中に放出されるためです。
商品購入と廃棄を繰り返すことに比べ、炭素(o)を長期間ツール内に固定でき、環境負荷を長期的に減らすことができます。
再循環する(Recycle)
もし捨てる必要がある商品の購入をする場合は、リサイクル可能な材料で作られた商品を選んでみませんか。
プラスティックのリサイクルは主にサーマルリサイクルとマテリアルリサイクルにより行われています。
サーマルリサイクルとは廃棄物を燃焼させ、その際に発生する熱エネルギーを回収して利用するプロセスです。
マテリアルリサイクルとは、廃棄物を分別し、物理的・化学的に処理して新しい商品の原料にします。
特に、マテリアルリサイクルは燃焼を経由しないため、商品に固定されているCO2が空気中に放出されにくい特徴があります。
『筒居』に搭載した3R
< WPC素材を使用 >
商品として提供させていただく上で、私に可能なことを考えました。
『筒居』はWPCを使用することで、石油由来プラスティックの使用を半減。
残りの構成物質の50%超に「竹と無機物等から構成された素材」を使用しています。
この材料の提供と製造を依頼している企業は、日本国内で伐採された竹を購入し『筒居』の原料を作成しています。
竹は繁殖力が強く、伐採が必要で、その後焼却されてしまいます。
その竹をアップサイクルすることは、地域環境を保全することにも繋がっていきます。
当社はこの循環を有意義だと判断し、自然を楽しむための容器の素材としてWPCを採用しています。
< 長期的な炭素固定 >
『筒居』は使い捨て容器ではなく、洗浄後の再使用が前提にあります。
壊れにくくタフに構成するには、厚みをつけることができればよく、炭素は長期的に固定できます。
しかし、飲み物の「おいしさ」は薄く繊細なワイングラスの構造がもたらします。(詳細は2章)
薄さと軽さを追求することで「おいしさ」提供できる設計の中に、炭素の長期的な固定ができる一定の強さを両立しています。
< 焼却を経由しない再循環が可能 >
形あるものなので、『筒居』はいつか壊れます。 そのとき、壊れたパーツを弊社センターに送っていただくことが可能です。
一定の量が集まることで破砕後し焼却を経由しないマテリアルリサイクルが可能となります。
『筒居』に使用したWPCの、さらなる性能
このWPCは、木粉とプラスティックを混合して作られる単なる複合材料ではありません。
通常のプラスティックと異なる、機能的優位性を持ちます。
かつて日本人は竹の皮や笹の葉でおにぎりを包むことで、その抗菌性からおにぎりの安全性を向上させていました。
WPCに使用された竹由来の成分は、『筒居』に抗菌性を加えてくれています。
食品衛生法の規格基準に準拠
この素材は、厚生労働省の食品衛生法に基づく基準を確認しています。
食品衛生法、食品、添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号)
ポリエチレン及びポリプロピレンを主成分とする合成樹脂の器具または容器包装
(最終改訂:令和2年厚生労働省告示第380号)
全て、あなたの気持ちの良い一杯のため
『筒居』はワイングラス形状のアウトドアツールです。
アウトドアツールとは、機能ありきで選択される商品だと私は考えています。
そのためこれまでの章では主に『筒居』の機能についてご説明致しました。
しかし機能だけでは、飲み物をよりおいしく・気持ちよく楽しみたい欲求を満たせるとは言えません。
その欲求を満たすためには、おいしく飲む機能と、気持ちの良い自然とのつながりの両立が求められています。
だからこそ、この章の終わりまで読んでもらうことができたと思っています。
『筒居』はアウトドアで気持ちの良い一杯を注ぐための容器として開発しています。
ぜひ、あなたのアウトドアに『筒居』をご利用いただき、ご家族や同好のご友人ともお楽しみください。
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Product商品概要
お気に入りの容器と飲み比べてみてください。
あたらしいアウトドアの味を感じていただけます。